アメリカの幼稚園は義務教育

 アメリカでは「幼稚園教育」が義務教育なのに、日本では義務教育ではなく、小学校1年生から中学校3年生までが義務教育だということを知っていましたか。その証拠として、幼稚園が小学校と同じ敷地にあるのが常識です。学校教育を「幼稚園から6年生まで」(from K to 6) などと呼称することがよくあり、幼稚園教育が義務教育に含まれていることを表現しています。

 また、アメリカの幼稚園教育の「主な目的」は、小学校教育に順応できるように「調整する準備期間」と言えます。団体行動で必要な規則や感情の抑制、他の児童との対処の仕方などを習得させることを主な目的する期間と言えます。

 アメリカの幼稚園の先生の特徴として、日本の幼稚園のように短大卒の若い先生が多い傾向とは相反して、引退前のお年寄りや子育てを終えた教員が多いことが両者の相違点の1つとして挙げられます。

外国人訪問客を無意識に傷つけてしまう話題の例

 現在の日本では、毎年多くの外国人が日本を訪れたり、日本で居住したりしている人がいますが、「自分では全く意識せず」、外国人の感情を傷つけてしまうことがあります。例えば、次に挙げる「何気ない」質問です。

 「あなたは、いつまで日本に居るのですか」とか
 「いつアメリカへ帰るのですか」などという筆問です。

 これらの質問は、「日本がほぼ単一民族の国」という歴史的な証拠によるもので、日本人の話者は「外国人は、いつか帰るもの」と決めつけている気持ちの表れで、感情的には全く「意識していない」表現と言えます。もちろん、これらの質問を受けても、全く気にしない外国人は大勢います。
明らかに「旅行客」である場合には、「素直に」受け止められる質問でしょうが、それでも、少々「神経質な外国人」は「精神的な被害」を受けることになると言えます。それは、彼らが「あまり長く日本に滞在せずに、早く帰りなさい」と言われていると解釈してしまうからです。これをアメリカ国内に移して考えてみると、「アメリカは多民族国家」で数多くの移民で成り立っている国なので、50年以上アメリカに住んでいる筆者が他のアメリカ人から同じように質問されたことは1度もありません。

アメリカには、所得税や州税が無い州がある

 日本では、全国どこで住もうが、一律に所得税や住民税を納めなければならい法律がありますが、アメリカでは、州によって売上税 (sales tax) や所得税 (income tax) が無いところがあります。また、所得税や住民税の納税義務の在る州でも、税額はそれぞれマチマチで州によって税額が違います。その上、同じ州内でも、居住地区によって税率が異なる州もあります。

 現時点 (令和7年)で売上税の無い州はアラスカ、デラウエア、モンタナ、ニューハンプシャー、オレゴンの5州が挙げられます。そこで、ハワイの住民の中には、クリスマス時期になるとオレゴン州まで出向いてクリスマス ショッピングをする人がいるそうで、そのような話題を耳にすることがあります。

日本では、なぜ#(パウンド サイン)が「シャープ記号」と呼ばれるのか?

 重量を表す#(パウンドサイン)と音楽の♯ (シャープ記号)には明らかな相違があるのに、日本では、両者の歴然とした相違に気づかず、マスコミの世界で」誰が最初に勘違いして使い始めたのか、「ポンド記号」が「シャープ記号」と呼称され、未だに使われています。

 両者の相違は、少しよく観れば、明らかに相違が分かるのに、「最初の誤り」を指摘もせずに使い続けたのは何故でしょうか。日本の伝統的な「上下関係」社会慣習によるものなのか、理解に苦しみます。

 それとも、世界の国々が「メートル法」に移行して久しいのに、いまだに「ヤード ポンド法」をアメリカ合衆国(それに小国のミャンマー、リベリア)の方に責任があるのでしょうか。

日本では、なぜ ?! でなく、!? と逆にするのか

 日本では、いつ頃から !? 記号が使われ始めたのか定かではないが、かなりの頻度で「驚きや興奮、不思議な疑問など」を表現するのに多用されています。アメリカでは、コミック(漫画)などで時折 ?!として逆の記号で使われているのを見かけますが、通常の文章の表記としては殆ど使われていません。それは、この記号が「標準的なものではない」からでしょう。

 アメリカでは、この記号 ?! の呼称を interrobang (インテロバング) と言い、 ? (疑問符)と ! (感嘆符)の順に表記されるか、両方の記号を重ねて表記しています。

死刑制度のある州と無い州の比率は?

 アメリカでは、未だに死刑制度を実施している州が現時点 (2025年)で27 州もあり、死刑制度を廃止している23州を少し上回っていますが、ほぼ同数と言えます。各州それぞれの司法判断によるものですが、相対的に観て、南部の州が北部の州より未だに死刑制度が存続している傾向があると言えます。他方、日本の場合には、現在でも、全国一律で死刑制度を存続させています。

 死刑制度を廃止している国の数は、現時点で140カ国を超える国々にも上り、先進国では日本、韓国、米国の3カ国だけのようです。

雨が止んだり、降ったりしている

 日本語では、「雨が降ったり、止んだり」のように、「降る」が先に表現されるが、英語では「止んだり、降ったり」のように逆に表現します。
他にも、日本人が「あちら、こちらへ行った」と言うのに、アメリカ人は「こちら、あちらへ行った」と言い、日本人は「昨日は、一日中出たり、入ったり忙しかった」などというのに、日本人とは逆に「入ったり、出たり」と言います。日英両言語には、他にも同じような「逆表現」があるので、英語を勉強する時の参考にしてください。

感謝表現の「ありがとう」と「どういたしまして」は、言語習慣

 アメリカ人の子供は、感謝の気持ちを表現する「ありがとう」と「どういたしまして」は「エチケット表現」ではなく、言語習慣の連鎖的「ペア表現」になっていると言えます。アメリカの多くの親たちは、子供が未だ言語表現が身についていない幼児期、親によっては「乳児期」から感謝表現を教えると言えます。例えば、「ありがとう」には「手を上げさせる」とか、いろいろ考えて躾けるとか、いろいろ工夫しています。

 その結果、乳幼児期から言語習慣としての躾を受けているアメリカの子供たちは、「ありがとう」と「どういたしまして」がごく自然に表現されることになるのでしょう。反面、日本の子供たちにとって「ありがとう」は表現できても、「どういたしまして」は言語習慣でなく「エチケット表現」の範疇に入る表現なので、この表現を使う子供は殆どいないと言えます。もし、使ったとすれば、「子供らしくない」表現と解釈されてしまうとも言えます。

 卑近な例で恐縮ですが、筆者の二人の子供が最初の3年間のハワイ生活を終えて、長男が小学校6年生、次男が幼稚園生として日本に2年間滞在したときに、日本の成人との対話で「ありがとう」「どういたしまして」のペア表現をごく自然に使っていたのですが、「お宅では、お子さんにどのような言語教育をしているのですか」と聞かれたことがあったのを今でも懐かしく思い出します。

日本語と英語の時制の数

どこの国の言語でも、話したり、書いたりするのには、「一定の時を時点」にして行われるのですが、これを文法上の用語では「時制」と言います。英語と日本語の時制の数には、それぞれ相違があります。分類方法によって多少の相違がありますが、「日本語では時制が2種類」なのに「英語には6種類」もあります。

 日本語の場合には、1.「物事が既に終わったか、終わらなかった」、つまり「過去形」、2.「物事がこれから起こる、起こらない」の「非過去形」の2種類の時制で全ての事柄を表現することができるのです。つまり、現在のことも未来のことも「非過去形」で表現します。

 他方、英語の場合には、基本的に、「過去、現在、未来」の事柄を3種類に区別して表現する基本時制があり、それぞれに「完了形」という特殊な時制が加えられ、合計6時制になるのです。

 それぞれの言語の時制による表現例は別項目で説明することにしますが、ここでは、とにかく日英両言語の「時制の相違」が2対6であることを記憶に留めておいてください。

英語は複合言語です

 英語は歴然とした複合言語で、複数の言語が混ざり合って成立しています。5世紀頃、現在のデンマーク南部と北ドイツ地方に住んでいたアングル人、サクソン人、ジュート人のゲルマン (ドイツ) 系部族がブリテン島へ移住したのがイギリス英語の基になっていて、その後、1066年のフランスによる「ノルマンディー征服」後、1154年までの88年間もの期間フランスの「ノルマン朝の統治下に置かれ、イギリスの貴族階級の公用語としてフランス語が300年間も使用されていました。その結果、多くのラテン系言語の語彙がフランスを経由してイギリス英語に混入しました。

英語と日本語の「言語音」は、それぞれいくつありますか

 日本の人たちに「英語と日本語には、言語音がいくつありますか」と質問すると、大多数の人たちが「日本語には50の音がある」と答えるか、すこし考える人は、いわゆる50音に「濁音」、「半濁音」、「拗音」などを考えて、「音の数」をさらに増やしたりします。

 他方、アメリカ人に同じ質問で「英語には音がいくつありますか」と 尋ねると、英語は「アルファベット26文字で表される言語」なので、「26音」と答える人が多いと思います。

 上記のような日本人とアメリカ人の「言語音」に対しての考え方は間違いです。日本語の「50音」も英語の「アルファベット26文字」のどちらも「言語の単音」を表すものではなく、言語の「表記文字」で、それぞれ「音節」を表していると言えます。

 言語の「単音」と「音節」には明らかな相違がありますが、この項目では説明せず、後ほど詳しく説明することにしますが、読者の皆さんには、「英語の言語音は日本語の言語音の約2倍の数がある」ということを記憶しておいて頂きたいと思います。

母親の旧姓

 アメリカでは、自分の母親の旧姓を知っておく必要があります。例を挙げると、銀行で預金或いは小切手口座を開く場合に、本人の個人的な情報以外に、母親の旧姓、つまり「未婚時代の姓名」(maiden name) を銀行側の「暗証」としての登録が要求されます。たとえ、口座名義人の母親が既に死亡していても、登録することが求められます。銀行は、各個人名義の口座を保護するために、名義人の母親の氏名は本人以外に知ることは容易ではないと確信して、この方法を広く採用しています。

 例えば、口座の名義人が或る一定金額を超えた高額を引き出そうとするような場合などに銀行の出納員 (Teller) から暗証として登録した暗証(母親の旧姓)を要求されます。

ハンサムな赤ちゃん

 日本語で使われている「ハンサム」とは、いわゆる「イケメン男性」を指して使われる英語からの外来語ですが、英語の母国語の話者の間では、「ハンサムな赤ちゃん」とか「ハンサムな女性」、或いは「相当額の金額」「大多数の人」などにも使われている単語です。

 ある国の言語から借用して外来語として使う場合には、通常それぞれの単語が「1つだけの意味」で使用されることが多いと考えられますが、母国語では、1つの単語が複数の意味を表すことが多いと言えます。この項目の「ハンサム」にしても、母国語では「形の整った」「魅力的な」「大勢の」など、いろいろな意味を表すのに使う単語です。

言語音の発声

 人間が言語音を発声するのには、肺から出る息が喉の器官を通って口または鼻から外へ出ることが必要です。その過程で、音声器官の調音点や舌の形状を少しずつ変化させると、いろいろな言語音が発生します。口から外にでる言語音を口腔音、鼻から外へでる音を鼻音として区別できます。各言語の話者は、生まれた時から周囲の人が話す音声を聴いて、無意識のうちに、その言語で使われている言語音を習得していくのです。

 赤ちゃんが生まれて直ぐに発生する産声 (医学的には「第1啼泣」)は、胎内で母親を通して呼吸していたことから 「自力で呼吸できる」 ことを示すための発声と言えます。自分の肺の中にたくさんの空気を吸い込むために大きな声で泣くのです。人間の発声音には、肺に空気が入っていることが必須条件になっている証拠とも言えます。ちなみに、英語では 「産声」 (うぶごえ) を「新生児の最初の泣き声」 (the first cry of a newborn baby) と言います。