国際交流部会 ≪ウクライナ大使館訪問報告≫

西麻布の閑静な住宅街に佇む小さな建物が今多くの耳目を集めている『ウクライナ大使館』です。
去る11月2日港稲門会国際交流部会より19名が同大使館を訪問、経済・文化協力担当書記官によるウクライナの文化・芸術・風土と現状についての解説では刺繍ピサンカイースターエッグ)など伝統工芸の美しいデザインや、ウクライナ発祥で世界文化遺産に登録されたボルシチ、水餃子に似たワレニキ等の伝統食に続き建造物の意匠の芸術性、国立バレエシアターに象徴される高い文化性等が美しい写真と共に紹介されました。
コザックがウクライナの部族であり戦士が日本のサムライに比肩する精神文化を受け継いできた事もまた公園の桜並木の情景と共に日本人と相通じる精神文化土壌として紹介されました。

伝統的なイースターバスケット
ウクライナ刺繍とピサンカ
美味しくて栄養満点のボルシチ
アジア人好みのワレニキ
見事な桜並木
東方正教会は、キーフ市内で最も有名な寺院

コルスンスキー・セルギー駐日特命全権大使との質疑応答では予定時間の前から集会室前で待機されるなど積極的な歓迎姿勢を示して頂き、また会員諸氏から間断無く寄せられた質問に丁寧かつ知的ユーモアを交えたご対応を頂きました。また各質問への大使の回答には随所に日本社会に対する鋭い観察眼や日本文化への造詣と関心が示され締め括りとしてウクライナ国民が抱く親日感情のメッセージが伝えられました。

午後6時からは西新橋のウクライナ料理店『スマチノーゴ』にてウクライナ料理のコースに舌鼓を打ち同国ワインを愉しみながら3年ぶりの懇親会も盛会となって今回の訪問企画は成功裡に幕を閉じました。

ウクライナ料理レストラン『スマチノーゴ』とは?
●ウクライナからの避難者をスタッフに雇用するための実店舗として開店。

●9月の開店時からコルスンスキー大使(写真真ん中)をはじめウクライナ大使館が応援している。大使館員もしばしば訪れ、随時PRに協力。

ウクライナ料理 一口メモ

角切りビーツのサラダ

ボルシチ は、ウクライナ固有の伝統料理。今年7月1日付けで、ユネスコの世界文化遺産 (無形文化財) に指定されましたが、このボルシチに欠かせないのがビーツ(赤カブ)です。サイコロ状に細かく切ってサラダによく使われます。日本で言えばダイコンの様な感じです。「ビーツのボルシチ ≒ ダイコンの味噌汁」くらい日常的な家庭料理と言えます。

文:国際交流部会世話役 大使館連絡担当 西垣 孝一(昭和55政経卒)