俳句部会報告

富士の雪解。6月も14日土曜に7人が元気に洗足区民センターに集まり、楽しい句会が開かれました。今回は、鑑賞する人それぞれの感性による解釈のキャッチボールで笑いが広がり、その場で 「笑うわかば句会」 と命名され、笑い声が帰りまで続くという今までにない一日となりました。

8月の懇親会からは、港稲門会の桜井副会長のご紹介で新たに千葉さんが加わることになり、今後が益々楽しみになった 「笑うわかば句会」 の報告とさせて頂きます。  報告:俳号・博二

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第二百三十二回若葉句会 令和七年六月十四日(土) 場所 洗足池区民センター

捷三郎選

兼題  風薫る、蛍、夏の星      席題             

<特選>

むしろ旗越へし峠や蝉時雨       雅雄

 嘗ては食べるに困った百姓一揆が之を超えたら後には戻れない峠であったか。今静かに蝉が時雨るように鳴いている。あるいは非業に死んだ百姓衆の泣き声とも。 

潮騒に耳を預けて夏の星        勝美

 波打ち際に腰を下ろしているのだろう。耳は繰り返す潮騒に預け、目は夏の星を追っている。耳と目で音と光を感じている夏らしい句だ。

決算を報告後の五月晴れ        博二

多くの会社では三月末の決算数字が五月ごろまとまるようだ。やっと何か所もの修正を終えて納得のゆく決算書を報告した。ホットした経理部長の顔が見える。

<入選>

庭先の紫蘭を一枝祖母忌日       雅雄

〇雷に距離の計算孫笑声         秀三

〇梅雨空に紫電改の音遥か        博二

〇長嶋の大本塁打ナイター戦       光敏

〇風薫る制服並ぶ博物館         雅雄

〇風薫る日課の散歩一万歩        秀三

〇蛍の寄り来る一つ母なるや       朋子

〇若僧の青き剃り跡風薫る        勝美

〇夏の星理科の復習いそいそと      秀三

〇読み難き本をまた手に梅雨深し     朋子

〇ああ言へばこう言ふ妻と走りの茶    勝美

〇涸沢にテントの百花夏の星       雅雄

〇父の日や酒を送って事済ます      伸郎

<選者詠>  

庭の隅雨化粧する紫蘭かな

今日一日何も要らない風薫る

山道を圧して照らす夏の星

蛍飼ひ広げし友の先立ちぬ

蝸牛背負ひし殻の軽さかな

雨戸開け逃げ足はやき守宮かな

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次回の句会  令和七年七月十二日(土)午後二時、 洗足池区民センター

<兼題>  河鹿、雲の峰、炎昼、の三題と雑詠二句、合計五句ご用意ください。