俳句部会報告
万緑の轟き。木々の緑の力強さを表す中村草田男による新しい季語 「万緑」。その夏真っ盛りの生命みなぎる7月12日に、楽しい「わかば句会」が洗足区民センターで催されました。
今回は 「若葉俳句21号」 の表紙の検討会も行われ、大田稲門会の写真部会と画像編集に長けた理工学部OBの協力も得て、候補画像数点から一案に絞られました。
次回は8月9日に蒲田駅の銀座アスタ―で、港稲門会からの新人も加わり「納涼若葉句会」が行われます。それでは7月の選句・講評を、報告させて頂きます。
俳号・博二
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第二百三十三回若葉句会 令和七年七月十二日(土)
場所 洗足池区民センター
兼題 河鹿、雲の峰、炎昼 席題 海
捷三郎選
<特選>
◎河鹿鳴く島に一つの旅館かな 朋子
安芸の宮島のことだという。旅館が一つだけでそこに泊まったとのこと。今は賑やかに何軒ものホテルがある。さぞ静かな中で河鹿の声を聴いたことだろう。
◎雲の峰木曽駒ケ岳尻に敷き 伸郎
山男は雲の峰が遥かに木曽駒を覆うさまを登山中に見た。そう、まるで尻に敷いたように。下五をあっさり言い切るところが秀逸。
◎近江路にサンダル履きで蛍追ふ 博二
琵琶湖を控え、滋賀県には蛍が飛び回る。蛍を見に行くのにひょいとサンダルを履いて出たところがこの人の地元らしさを表している。
<入選>
○炎昼やAⅠ告ぐる注意報 朋子
〇鮒鮓の母の里より到来す 朋子
〇千枚田千の豊穣雲の峰 雅雄
〇夏山に昔リーダー今お荷物 秀三
〇来し方の凡(おほ)なる幸や冷奴 勝美
〇宿場町床几に休む冷奴 雅雄
〇久に会ふ友の笑くぼやソーダ水 朋子
〇宿題は来月末へ海開き 博二
〇海風を味はふてをり帰省の子 朋子
<選者詠>
姿無く夜を鳴き通す河鹿かな
炎昼や余市のブドウ畑恋し
登る山見上げて祈る山開き
山開き常連の数少し減り
四方の山見下ろして立つ雲の峰
海の日は季語山の日は季語ならず
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次回の句会
令和七年八月九日(土)十二時、 蒲田駅ビル七階銀座アスター
<兼>七夕、流れ星、西瓜、の三題と雑詠二句、合計五句を八月二日までに捷三郎までメールしてください。 minekanamori@yahoo.co.jp