大田・港合同部会「わかば句会」報告

2月22日土曜、今年2回目の「わかば句会」が開催されました。

選句・選評が選者の金森様から届きましたので、報告させていただきます。

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第228回 わかば句会   開催場所 洗足池区民センター

「兼題」 春昼 雀の子 梅    「席題」 

特選句

境界の有りや無しやに蕗の薹     雅雄  

田舎の山村であろうか、隣との境目がどこにあるやらというあたりに蕗の薹が顔を出した。これだけのことで、山村の風情や春の訪れの喜びを十分に表している。無駄のない、優しい味のある句だ。

◎梅一垜風の尖りも解けぬ間に     勝美

まだ寒いのに梅が早くも開きだした。それだけの内容だが、風の尖りといい、尖りが解けぬ間にというしゃれた表現がここでは相応しい。語彙の力が発揮されている。

◎隣家より「ひるのいこい」や春の雲  勝美

ラジオひるのいこいという番組はNHKから放送されている。もう七十年以上続いている、これを聞くと何故かほっとする。お隣から聞こえてくると、隣のゆったりした生活ぶりも感じられる。季語に春の雲を持ってきたのは真に相応しい。

入選句

 噛み殺す菩薩の欠伸春の昼      勝美

 東工大校名変はり春新た       克也

 春昼や止まりしままのオルゴール   雅雄

 遅刻子のほお赤かりし余寒かな    雅雄

 雨滴(あましだり)逆さの春を閉じ込めて  勝美

 触れ難き君の背中や白き梅      伸郎

 商店街ネギ持つ人の多かりき     伸郎

 大仏の御手(みて)を(まろ)転がる雀の子 勝美

 暖かき紅梅が好き曇り空       伸郎

 三脚は木に立てかけて梅見かな    博二

 顔知らぬ祖父の盆栽縁の端      雅雄

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次回「第229回わかば句会」は3月22日(土)14時より、いつもの
洗足池区民センターにて開催されます。
兼題は「立子忌」「彼岸」「雛」。他に春の季語での雑詠二句をご用意下さい。皆様健吟を!

この部会に入会ご希望の方は、当HPの「会員連絡用」からご連絡ください。または事務局長へメールをお送りください。

                        報告:南村博二(俳号博二、港稲門会)