ホームカミングデーに参加して①「わずか5分の入学式」
10月23日は、ホームカミングデー&稲門祭日和の素晴らしい天気だった。1957年から60年間親しまれた記念会堂は、2018年竣工の早稲田アリーナに姿を変えている。入学式も卒業式も記念会堂だった私には、巨大スクリーンがいくつも並ぶアリーナ会場が少々よそよそしく見えた。
1973年の入学式を思い出す。大分県宇佐市から上京。入試を乗り越えて早稲田大学に入った。今この入学式会場にいる!という感慨に浸る間もなく、革マル派乱入。式典終了。その間5分。村井資長総長の式辞の途中だった気がする。思えば50年前の出来事である。もはや近現代史である。革マル派によるリンチで一文の川口大三郎さんが学内で殺されたのがその前年。早々に終わった式典の後、クラスに集合したら、先輩らしき人が新入生歓迎コンパのビラを配りにきた。「あれ革マルだから!」という誰かの声がした。
日本の学生紛争史を垣間見た瞬間であった。
HCD式典の黙祷では、50年の間に亡くなった何人かの同級生の顔を思い浮かべ冥福を祈った。5分の入学式の思い出を共有した彼ら。
川崎(桜井)郁子 昭和52年 第一文学部卒