早稲田大学校友会東京都23区支部大会 参加報告
3月2日、東京23区支部大会が浅草ビューホテルで開催されました。今年の講演会ゲストは、『早稲田学報』(2024年2月号)の表紙を飾ったこともある駐日ジョージア特命全権大使のティムラズ・レジャバさん。2011年に早稲田大学国際教養学部を卒業した校友です。

流ちょうな日本語でユーモアを交えながら<日本とジョージアの文化交流>をテーマにお話しくださいました。
1988年ジョージアの首都トビリシで生まれ、4歳で日本に移住して以来、大学卒業までジョージア、日本、アメリカ、カナダで教育を受け、卒業後は3年間キッコーマンに勤めました。筋金入りの国際派であると同時に、日本文化も日本の企業風土もよく理解している貴重な存在です。
講演では開口一番「最近やっぱり早稲田は良いなぁと思います。3月4月は神田川の桜がキレイ。食べ物は金城庵のそばが懐かしい」と語り、大学公認サークル「早稲田文芸会」で友人たちと創作活動に励んだ日々に早稲田の反骨精神を授かった。その早稲田魂は、現在の大使館の仕事にも役立っていると言います。「早稲田は(慶応に)コンプレックスを持っていて、その『負けるもんか!』が早稲田人を面白くしている」とも語りました。


さて、私たちにあまりなじみのないジョージアとはどんな歴史と文化を持っている国なのか?国土の広さは日本の5分の1ですが東西交通の要衝。北にロシアがあり南に中東、トルコに接しているため、国際情勢に左右される国です。ロシア帝国に吸収されたのち1918年に独立、その後ソ連に吸収され再独立と厳しい過去を持っています。
会場参加者の目が輝いたのは、ジョージアでは8000年前(新石器時代)にワインが誕生しているということ。これは科学的検証もされています。コーカサス山脈が生む豊かな地形と多様な気候がブドウの栽培を盛んにしたのです。

ジョージア国立博物館には、紀元前6,000年頃のものと推測される土器が展示されており、これは世界最古のワイン用の容器とされています。
また、ジョージアには古くからワインを飲む儀式「スープラ」があります。スープラはワインを用いた宴会で客をもてなす作法。
ここからがティムラズ大使ならではの見解ですが、「僕は茶道も好きなのですが、日本の茶道とジョージアのスープラは大変良く似ています。どちらも儀式的な要素を大切にするのです」
重ねて、「ジョージアはワインがあったことで多様性を認め、外交が得意な国として国と国の橋渡しをしてきました」と語りました。
ティムラズ大使はX(旧Twitter)でジョージアの食や観光、経済事情まで幅広い情報を毎日のように発信して、2025年3月2日現在35万人のフォロワーがいます。
著書も好評発売中です。『日本再発見』 『ジョージア 大使のつぶや記』『大使が語るジョージア 観光・歴史・文化・グルメ』


23区支部大会は、この後、本間敬之早稲田大学常任理事の「早稲田大学の教育研究 ~今とこれから~」の講演と応援部のスぺシャルアトラクションに続き、校歌斉唱で終了しました。
報告:副会長 桜井郁子
備考:ジョージアワインは東京でも購入可能です。インターネットで検索してください。