若葉俳句部会 ことしの句会から

コロナの緊急事態解除が近付いたので、パソコンとFAXによるネット句会は6月で終了。代わってコロナにめげず1月から句会を続けています。1、2月の特選句、入選句をご紹介します。
 (世話役・選者は塩浜裕夫)

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◎正月句会(兼題・松納め、他)

夕餉には茶漬けが美味い松納   捷三郎

マニキュ忘れゐて一日遅れの松納  裕夫

先生マネキンの少年雪の日も立てり 野梨子

あれこれと起きぬ言い訳寒の入り 伸郎

柚湯して一人今年を振り返る 光敏

着ぶくれて工場への道ゆっくりと 朋子

初雪に歓声あげる幸せよ  昌弘

寒かった今年の正月句会では、やはり寒さを詠んだ秀句が揃いました。また初句会だけに、皆さんおどけた句が目立ちました。松納めとは6日までに門松を取り、正月行事が終わりホッとした様子を詠むことが面白いところ。

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◎2月句会(兼題・春火鉢、他)

無くも良し有ればなお良し春火鉢 勝美

手をかざし内緒話の春火鉢 裕夫

正座せし句作の祖母や春火鉢 雅雄

通夜の客黙して座る春火鉢 捷三郎

春かもめ町見て海へ帰りけり 野梨子

まだ寒い早春だから、火鉢を使う人がいるおかしさが俳句の材料になっています。

句会の会場は洗足池の図書館に戻りましたが、コロナのため午後6時から2時間の時間厳守が少し窮屈です。それでも皆さん揃って俳句を競うのが句会の醍醐味。ネット句会では味わえない俳句の楽しさを満喫しています。高浜虚子も「俳句は座の文学だ」とその楽しさを推奨しています。