若葉句会 9月の開催報告

 秋彼岸。駅伝を増上寺で応援してから早9か月が過ぎ、昼と夜の時間が交わる中日を迎えます。早い広告では、来年正月のおせち料理の予約まで先日発見しましたが、街は依然と半袖の日々です。

 さて9月13日の句会の選句・講評を報告します。皆様も、ぜひ投句なさられませんか。洗足池まで行けなくとも大丈夫です。また最新の発表誌 「若葉俳句21」 にご関心をお持ちの方は、ぜひご一報ください。

俳号・博二

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第二百三十五回若葉句会 令和七年九月十三日(土)

場所 洗足池区民センター

兼題  夜食、残菊、赤い羽根     席題  二十日月

捷三郎選

【特選】

◎二浪子の夢を夢みし夜食かな       雅雄

 浪人も二年となると追い詰められる。夢を見るのは入学後の自由な生活だろうか、社会へ出てからの活躍だろうか。その夢を夜食を取りながら思っている。頑張れ!

◎老境に未だ余白あり残り菊        勝美

 自分も老境に入ったのは自覚しているが、気が付けばまだまだやるべきこと、したいことの多い。これを余白と言った。控えめで味わいがある一言。

◎再雇用残菊眺め簿記習ふ         博二

 再雇用の喪失感と同時に安心感がある。簿記という地味で大切な科目に挑戦する意欲と謙虚さが好ましい。残菊が心慰めてくれる。さあもう一仕事。

【選】

〇単語帳脇に夜食を啜りけり        朋子

〇朝未だき消ゆるを拒む二十日月      勝美

〇今年こそ早稲田を目指し夜食うどん    博二

〇右手(めて)に箸左手(さしゅ)に「赤単」夜食かな 勝美

〇秋風や父の手擦れの住所録        勝美

〇残菊や金賞も褪せ軒の下         雅雄

〇乱歩読む部屋の暗さや秋湿り       旧雨

〇小夜ふけて夜食の菜に迷いたリ      旧雨

〇長き夜の独酌の酒小鍋立て        旧雨

〇夕映えの棚田一枚ごとの秋        勝美

〇「秋めく」は何処にいるのかこの日差し  伸郎

〇虫の声季節はめぐる節理かな       秀三

〇物価高麦茶ボトルに忍び寄る       博二

〇父遺愛ソフトに褪せし赤い羽根      勝美

【選者詠】

●中々に出ぬのがよろし二十日月

●秋扇一度仕舞ひてまた出せり

●章太郎墓前残菊供へたり

●今日もまた仕事遅くて夜食かな

●新しき季節を連れて新酒来る

●赤い羽根今日一日は善人で

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次回は十月十八日(土)午後二時 場所は、池上線洗足池駅五分の大田区民センター

兼題:冬隣、案山子、紅葉

兼題で三句のほか秋の雑詠を二句 計五句

なお次々回十一月は吟行を計画します。    

                          以上

(HP担当からの追記)

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