仕事を通じてウクライナと深く長い縁を結ぶ西垣会員からの現地報告Vol.2

《知られざる親日国家ウクライナ》-ウクライナが親日的である3つの理由-

1.日本文化への憧憬

ウクライナの人々は日本人が思っているよりもずっと高い関心を日本に寄せている様に感じます。書店には日本の文化紹介から歴史関連、日本人作家による小説など日本関連書籍がごく普通に並び、キーウ市内最大のショッピングセンターでは一階正面売り場のショウウィンドウに茶器や箸、茶碗その他の和風食器が扇子などの和小物と共にかなり目立つ様に陳列されているのを眼にしました。
首都キーウには市内各所の繁華街やショッピングモールのフードコート等に必ずと言っていいほどに寿司バーがあります。そうした寿司バーではウクライナ人の若い店員が鉢巻を日本風に頭に巻いて働いています。さすがに握りずしを握れる職人さんまではいないと見えて、売っているのは「巻き寿司」ばかりではありますが。写真は南部ムィコラーイウの寿司専門レストランでランチを取ったときに撮影したものです。

ガリもワサビも添えられた巻き寿司

2.経済成長への賞賛

旧ソ連邦から再び独立し、自由主義国家として経済発展を目指すウクライナにとって日本は「第二次大戦後の焼け野原からの驚異的復興」と「高度経済成長から世界をリードする経済大国となった足跡」の2点にたいへんな関心と賞賛を寄せており、日本の現代史における経済成長過程の研究も盛んにおこなわれています。また2011年の東日本大震災においては震災直後の日本人の整然とした団体行動と秩序だった事後整理に賞賛が寄せられていたと同時に、震災後の復興過程を詳細に伝えるメディアが多かったことも印象に残っています。

現在は特に対ロ防衛戦終了後の国土・インフラ再建に日本の「復興ノウハウ」と技術に大いに期待が高まっています。「戦後の焦土からの復興」が彼の地では今の現実の課題となっているからです。

キーウ 独立広場全景
キーウ市内の銅像

3.日露戦争での勝利への賞賛と対侵略防衛戦必勝の決意

これは今に始まったことではなく、ウクライナの独立国としての歴史とソ連邦による政治的干渉という背景から常に話題になってきていた事で、ロシア陸軍を破った乃木大将とバルチック艦隊を殲滅させた東郷元帥の名前は、一般の人々の間でも知られているほどです。特に2014年のクリミア併合と東部ドンバス地方での事実上の侵略が始まって以降は、日本=ロシアを破った国として敬意を示し自国領土を守り抜くモーティベーションとして日本の戦勝の例を挙げる人士と多く接しました。これは軍人や政府関係者に限ったことではなく、一般の市民の間でも性別に関わりなく一様に感じられた傾向です。

文:西垣孝一  <政治経済学部1980年(昭和55年)卒>

キーウ 勇士顕彰碑

→vol.1 カンザスからウクライナへ-『日本語』がつないだ30年