港・大田稲門会合同「わかば句会」3月の開催報告

大試験から入学へ、就職から転勤へ、定年から趣味生活へ。それぞれ人々にとって節目の今月です。本年3回目の句会が、大森駅近くのエセナ大田で行われました。それでは3月の選句・講評を、報告させて頂きます。

俳号・博二

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第二百四十一回若葉句会 令和八年三月七日(土)  場所 大森 エセナ大田

兼題  桜、雪崩、雛     席題  ウグイス                  

捷三郎選

【特選】

◎小夜更けて遠き雪崩の山家かな      旧雨

 夜遅く物音ひとつしない山家に遠く雪崩の音が聞こえた。音のしない世界の音は白黒の色であったろうか。墨絵の中に棲んでいるような情緒が感じられる。下五の山家が利いている。

◎うぐひすや読みかけし書を脇に閉じ    勝美

 本を読んでいたらウグイスの声が聞こえたので、聞きほれてしまい、本を横に置いてしまった。読んでいたのは古典文学のようだ。この際仕事の本は似合わない。       

◎縁づきて娘の雛の残りけり        旧雨

 なかなか家を出ないでいた娘が結婚して家を離れた。静かになってしまった家に雛人形が残されていた。此の雛とともに過ごした歳月、娘のこれからの生活をしみじみと感じさせる。

【選】

〇少子化や貸衣装と雛人形         博二

〇母飾る男所帯の古雛           雅雄

〇山男ケルンに祈る雪崩跡         雅雄

〇娘たち正座してみる雛飾り        光敏

〇遠雪崩厩舎の耳を集め黙(もだ)     勝美

〇涸沢を雪崩れる画像無音かな       伸郎

〇風さそふ万朶の桜目黒川         雅雄

〇鶯のつたなく鳴くや初心(うぶ)の声   旧雨

〇春陰や付箋に遠き日の惑ひ        勝美

〇春や春わかげの至りや恋に愛       旧雨

〇角打ちや暮れるくれる街角春時雨     雅雄

〇ウグイスのこえ高々に選挙かな      博二

    

選者詠  

目につかぬ修理の跡や雛の顔

安堵する雪崩の音の遠きかな

咲き誇る桜の生命アト三日

春寒し病院の窓カタコトと

二月尽妻の手料理五十年

ウグイスの声ばかりして姿無く                          

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次回  四月十一日(土) 午後二時  エセナ大田 1―c(6F) 大森駅から5分

兼題  入学、草餅、おぼろ月 

投句は、兼題で三句のほか雑詠二句、合計五句をご用意ください。